space

目細八郎兵衛商店 画
目細八郎兵衛商店 MAP
〒920-0854 石川県金沢市安江町11番35号
TEL 076-231-6371
営業時間 9:30AM〜17:30PM
定休日 毎週火曜日

space

加賀毛針

鮎毛針釣りの歴史

鮎毛針釣り

 加賀毛針の発祥を語るには、当地金沢(加賀)で鮎毛針釣りが何故盛んになったかをお話ししなければなりません。江戸時代、加賀百万石前田家は外様大名のため、築城や土木工事、兵力、城主家臣の忠誠心に至るまで江戸幕府から厳しい監視の目が向けられていました。武芸を積極的に奨励すれば謀反の嫌疑を受けるため、鮎釣りも、足腰の鍛錬に猟魚というかたちで始められたといわれています。

 友禅、蒔絵などの優れた工芸品製造も同じ理由から奨励され、次第に加賀藩の人々の生活にとけ込み、茶の湯、能楽の隆盛とともに、美を愛でる気質にまで高まったといわれます。

粋と美

鮎毛針

 加賀の鮎毛針釣りの特徴は、今日のスポーツフィッシングとは趣を異にしています。釣りそのものは、鮎と人間の知恵比べを楽しむことが第一義で、釣果を誇ることにあまり意を用いません。このマインドが加賀の工芸や芸事の心と通じあわないはずはなく、漆塗り、金箔、螺鈿を施した竿をはじめ魚籠などの釣り道具を、工芸品の域に高めるところにまで及びました。毛針も同じく、針先の返しを無くして釣り難くしたり、川面を飛び交うカゲロウや水中にすむ川虫に似せて、キジ、ヤマドリ、クジャクの羽毛、漆、金箔、蛇皮などを用いるなど、鮎との知恵比べに、用と美をそなえた様々な工夫を施し、鮎毛針釣り全体を「粋と美」のレベルにまで高めています。

◆参考:石川県新情報書府
「金沢城下町の暮らし・伝統工芸」加賀毛針
「金沢城下町の暮らし・伝統工芸」加賀竿
「金沢城下町の暮らし・伝統工芸」TOP

 加賀毛針による鮎釣りは、水中に毛針を沈め川底を流して釣る「どぶ釣り」と呼ばれ、囮を使う友釣りは武士道に反するとして、当地では近年まで疎まれていました。ここからも鮎毛針釣りが武士生活の信条、習慣をベースに、生活を豊かに美を愛でる気質が加わり、洗練の領域にまで高まったのが分かります。

 明治期になり町人も川釣りを許されるようになると、工芸を愛でる気質が町人の間に広がると同様釣り人の数も増え、毛針職人、竿職人も多く、鮎毛針釣りはますます盛んとなり、大正期には年間百万本余りが生産されるようになりました。そんな加賀毛針の伝統を代々守り現在も製造販売を行っているのが、創業400年余り続く加賀の老舗、目細八郎兵衛商店です。

目細八郎兵衛商店の「鮎毛針」

17代目細八郎兵衛が、明治23年(1890)「第3回内国勧業博覧会」に加賀毛針を出展、褒状を受賞したことで、加賀毛針の品質と名声が広く全国に伝わり、加賀針元祖の名誉を拝することになりました。以来、目細八郎兵衛商店は、加賀(金沢)の優れた伝統工芸に通じる繊細な仕事で、美しく完成度の高いクオリティの毛針を作り続け、多くの鮎毛針ファンに愛用されて来ました。

「今年の鮎にはどんな毛針が良いか」毎年考えに考えて新作を作り続け、目細八郎兵衛商店は四百年余の歴史の中で、4,000点もの種類を作ってきました。現在そのすべてを提供できるわけではありませんが、その年の鮎の状況次第で手を加え復刻することも可能です。

時代は流れ、ラメなどを使った派手な毛針が好まれるようになったり、また野生動物保護の視点から人工の素材を用いなければならないことも多くなってきたため、毛針の姿も少しづつ変化してきました。また、鮎と人間の知恵比べも環境の変化などから21世紀型になってきています。

近年は、日本の河川も美しくよみがえり始め、鮎の資源を守り続けてきた人々の努力により、スポーツフィッシィングとは趣を異にする、鮎毛針づりの醍醐味が再び注目されて来ています。これからも目細八郎兵衛商店は、伝統をベースに、現代の鮎釣り名人の期待にお応えできる加賀毛針を、毎年々作り続けてゆきます。

毛針の制作は、毛針のデザインを専門にする職人の絵をもとに、熟練した毛針職人が作り上げてゆきます。
何故毛針で鮎が釣れるのか、毛針は虫に擬して作られると言われますが、鮎は虫と思って食いついているのかどうかなど、まだ十分には解明されてはいません。

しかし、目細八郎兵衛商店の毛針には、先人からの知恵の積み重ねと親から子へと引き継がれる日本人の感性が、毛針一本一本に潜んでいることは確かです。

加賀毛針の製作工程

毛針制作は、熟練した職人でも作れるのは一日30本程。さまざまな色や模様の野鳥の羽毛を使い、すべて手作りで作ります。

《1.テグス付け》
毛針の元に絹糸を巻き付ける。山繭蛾(ヤママユガ)から取った本テグスを使うのが加賀針の伝統です。

《2.下 巻》
針の胸、腹に当たる箇所に金糸や赤糸を巻き付ける。金底、赤底

《3.角付け》
虫の尾角にあたる部分に、羽毛でツノを付ける。ケンとも呼ぶ。

《4.先 巻》
ツノの元から針先へ向かって羽毛を絹糸で巻き付ける。

《5.胴 巻》
胴巻を作るが、巻きと羽毛色の変化が多数ある。更に、中巻を作るが、中巻の無い針もある。近年の流行となっているラメ入りの針はこの部分の最後の工程になる。

《6.元 巻》
胴・中巻の次に元巻を行う、材料と色が重要となる。近年のワシントン条約の影響で、天然素材が入手困難になっているが、かっては、朱鷺の羽等で巻かれたこともある。

《7.髭付け》
追毛、羽根の別名があります。虫の触角に例える事もあります。

《8.蓑毛付け》
虫の足に当たる。西洋のフライト同じ作りですが、制作順序は全く逆で、元から先に巻いてゆくのが西洋式です。




HOME | プライバシーポリシー | ご利用ガイド | 特定商取引による表示 | お問い合わせ